本年度の作業の中心は、享保14年版目録のデータべ-ス化である。まず最初に行なったのは、昨年度中に作成した『江戸時代書林出版目録集成』全三巻の索引ファイルから、頁・段情報をもとに登載書目を抜き出すことである。さらに、このファイルに対して、目録に記載されている書名以外の情報(著者名や冊数ときには異版名や≠書の内訳書目等もある)を付加していく必要があり、本年度前半の作業時間の大部分はほぼこれらの作業に費やされた。 さらに、これら目録に登載されている書目について、主として『国書総目録』によりながら、著者・刊年(初版の年時のみならず、後刷本や改題本に関する情報も含む)及び所在情報を書き込んでいく必要があるわけだが、この作業は、現在までのところ、第三巻・第四巻所収の書目約1500点についてのみ終了したところであり、仏書や漢籍中心の巻一・二については来年度まわしということにならざるを得なかった。こうした進行状況を勘案すると、当初予定していた宝暦日録・明和日録のデ-レタべ-ス化を来年度中に完成させるのはとうてい不可能であることが判明し、当面は享保目録を中心にした作業に縮小せざるをえないと考えているところである。 一方、国文学研究資料館所蔵のマイクロ資料を中心とした現地文献調査も約一週問おこなったが、所蔵資料にかたよりがあるため、文学関係中心の調査にならざるを得なかった。次年度は、既存の目録類(往来物日録・仏書日録等)を利用することにより、こうしたかたよりを少しでも訂正したいと考えている。
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