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1996 年度 実績報告書

重い領域の原子核における分子的構造の研究

研究課題

研究課題/領域番号 08640387
研究種目

基盤研究(C)

研究機関高知女子大学

研究代表者

大久保 茂男  高知女子大学, 家政学部, 教授 (30105366)

キーワードαクラスター / ^<44>Ti / 分子的構造 / 芯励起 / 畳込み模型
研究概要

fp殻領域の典型核である^<44>Tiにおいてαクラスタ構造が成立することは系統的な理論的・実験的研究により広く受け入れられるようになってきた。基底回転帯、パリティ2重項のK=0^-バンド、相対運動が励起した高次節状態はα+^<40>Caの2体クラスタ構造をもつ状態としてよく理解できる。しかし、低励起エネルギー領域における1.90MeVから始まるK=0^+バンド、2.28MeVからはじまるK=2^+バンド、また4.85MeVの0^+状態の構造はこの2体クラスタ模型では理解できない。αクラスタ模型において芯励起を考慮することの必要性がスキマティック模型をもちいて指摘されたが定量には十分理解されてきてない。また、10MeV以上の励起エネルギー領域においてはバリティ混合クラスタバンドが存在するとされているがこの点は長年の論争でありいまだ未解決である。さらに細かく見るとこのバリティ混合クラスタバンド付近には多くの0^+状態や1^-状態が存在しているのが注目される。
以上の未解決な諸課題を解決することを目的として我々は^<40>Caのα的芯励起をとりいれたチャンネル結合クラスタ模型計算を2重畳込み模型による相互作用をもちいて行った。有効2体力としてはDDM3Yがもちいられた。畳込みポテンシャルの計算に必要な^<40>Caの遷移密度は微視的αクラスタ模型計算でえられたものが使用された。パウリ原理はビルダムス条件および結合ポテンシャルを調整することで採り入れられた。これまで実験的に知られている^<44>Tiのすべての回転的バンド構造および4.85MeVの0^+状態がよく再現された。また、バリティ混合クラスタバンドにたいする新しい理解が提示された。バンド内およびバンド間の電気的遷移確率も有効電荷を導入することなしでよく再現された。^<44>Tiの構造を低励起領域だけでなく高励起領域においても包括的に理解できることが明らかにされ、芯のα的励起の重要性が認識された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] S.Ohkubo: "Alpha-cluster structure in heavy muclei" Nuclear Reaction dynamics of Nucleon-Hadron Many Body System (World Scientific). 363-368 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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