研究概要 |
fp初頭^<44>Ti領域におけるアルファ・クラスタリングの系統的研究をこれまで偶々核を中心に行ってきた。奇核においてアルファ・クラスター構造が成立しているかどうかをあきらかにすることは大変重要である。今回^<43>Scの構造が半微視的α+^<39>K模型を用いて調べられた。有効2体相互作用としてHNYポテンシャルが用いられた。エネルギー準位、アルファ分光学的因子、E2,M1,E1遷移確率が計算された。全体的に計算結果は実験結果とよい一致を示した。特に正パリティのいわゆるイントルーダー状態についてはアルファ・クラスター模型で大変よく再現されることが示された。正パリティについては電磁的E2遷移も大変よく再現された。M1,E1の選択的規則性もクラスター模型により理解されることが示された。低いエネルギー領域の準位が弱結合模型により整理分離された。この核においてクラスター模型の有用性が示されたが、より詳細な検証を行うためには偶々核にくらべて少ない実験的データの蓄積が望まれる:特にアルファ粒子移行反応の実験がなされることが必要である。 より重い核におけるアルファ・クラスター構造の研究が現象論的模型を用いて調べられた。
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