研究課題/領域番号 |
08650894
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
滝嶌 繁樹 広島大学, 工学部, 助教授 (10188120)
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研究分担者 |
仲 崇立 広島大学, 工学部, 助手 (50274113)
佐藤 善之 広島大学, 工学部, 助手 (50243598)
舛岡 弘勝 広島大学, 工学部, 教授 (50034385)
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キーワード | 拡散係数 / 溶解度 / ポリマー / 活量係数式 |
研究概要 |
本研究ではピエゾ電気収着法に基づく装置を用いて組成の異なる2種のエチレン-1・ヘキセン系ランダムコポリマーとポリエチレン中への1・ヘキセン,ヘキサン,イソペンタンの蒸気の溶解度と拡散係数を測定した。用いたポリマーはいずれも半結晶性のものであるため、溶質は非晶部のみに溶解するとして、測定値を活量と溶解度の関係で整理した。その結果、いずれの溶質の場合にも活量の上昇と共に溶解度が増加した。溶質を固定した場合、ポリマー中の1・ヘキセン含量の増加(ポリマーの結晶化度の低下)と共に溶解度が増加した。これは1・ヘキセン含量の増加と共に非晶部のポリマー鎖の配置がランダムになるためであると考えられる。また、ポリエチレンでは溶解度の温度依存性がほとんど見られなかったが、1・ヘキセン含量の増加と共に著しい温度依存性が見られ、高温ほど溶解度が高くなる傾向を示した。この温度依存性は結晶部が非晶部に及ぼす弾性の影響であると思われ、結晶化度が0.8のポリエチレンよりも0.5程度のコポリマーにおいて弾性の影響が強く働くことが判明した。同一のポリマーに対しては3種の溶媒の溶解度はほぼ同一であったが、1・ヘキセンの溶解度が最も高く、イソペンタンの溶解度が最も低かった。この結果よりポリマーと溶質の分子間相互作用の強さの順序が判明した。これらの溶解度に対しては弾性の寄与を導入したUNIQUAC式によって良好に相関することができたが、グループ寄与型の推算式であるUNIFAC式では弾性項を導入しても良好に相関することができなかった。 溶解量の経時変化の測定値に対してFick型の拡散方程式を適用することによって拡散係数を算出することを試みたが、ポリマー膜の厚さの測定精度が不十分であることと、溶解初期の蒸発による温度・圧力の制御が不十分であるために、拡散係数に対する諸因子の影響を明らかにするに至っていない。これについては次年度に検討する予定である。
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