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1997 年度 実績報告書

光学活性ビス(クラウンエーテル)の機能評価とイオンセンサーへの応用

研究課題

研究課題/領域番号 08650966
研究機関大阪工業大学

研究代表者

渋谷 康彦  大阪工業大学, 工学部, 教授 (00103002)

研究分担者 森内 隆代 (川上 隆代)  大阪工業大学, 工学部, 講師 (60288751)
キーワードナトリウムイオンセンサ / カリウムイオンセンサ / ビス(12-クラウン-4) / ビス(15-クラウン-5) / 光学異性体 / PVC膜電極 / ニュートラルキャリア / FAB-MASS法
研究概要

マロン酸エステル型のビス(12-クラウン-4)およびビス(15-クラウン-5)誘導体は、各々Na^+およびK^+イオン選択性電極用のニュートラルキャリアとして用いられている。クラウン環にはR型およびS型の2種の光学異性体が存在するため、クラウン環の2分子をマロン酸のエステル残基で連結して得られるビス(クラウン)が光学異性体(R,R)、(S,S)、(R,S)または(S,R)型の混合物であることは従来から知られていた。しかしながら、各異性体の分離が困難であるために、光学活性とイオン選択性との関連性については論議されずに今日に至っている。本研究では、光学活性なビス(クラウン)誘導体を合成、単離することにより、さらに優れた選択性を発揮するNa^+およびK^+イオノフォアを開発しようとした。(R,R)型ビス(クラウン)誘導体は、R-3-ベンジルオキシ-1,2-プロパンジオールから、また(S,S)型ビス(クラウン)誘導体は、S-3-ベンジルオキシ-1,2-プロパンジオールから導いた。ついで、光学活性ビス(クラウン)5mg、PVC59mg,可塑剤(NPOE)125mg、添加塩(NaTFPB)1.2mgからなるPVC膜電極を作成し、電位差測定法によりNa^+およびK^+イオン選択性を評価した。(R,R)型および(S,S)型ビス(12-クラウン-4)のNa^+イオン選択性は、logk^<pot>_<Nak>=-2.3(K^+/Na^+≒200)であり、従来のビス(12-クラウン-4)のそれ(K^+/NA^+≒80)の約2.2倍優れることを認めた。一方、ビス(15-クラウン-5)の場合も、置換基をドデシル。メチルとした(R,R)誘導体のK^+イオン選択性{logk^<pot>_<KNa>=-3.5(Na^+/K^+≒3200)}は、相当する不活性体(Na^+/K^+≒1600)より約2倍優れることを認めた。光学活性体のイオン選択性優れる要因は、向かい合う2つのクラウン環の対面性が向上することで構成される空孔径が捕捉されるNa^+あるいはK^+にフィットするためと考えられ、FAB-MASS法によって評価した錯生成定数からも確かめられた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Y.Shibutani: "Chiral Bis (12crown-4)-based Electrodes for Sodium Ion" Chemistry Letters. 1996. 49-50 (1996)

  • [文献書誌] S.Shuanglong: "Preparation of Benzyloxymethyl-11-crown-3-Sodium Ion Selective Electrode" Chinese Journal of Analytical Chemistry. 11. 1300-1302 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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