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1996 年度 実績報告書

高電気伝導性安定黒鉛層間化合物の合成と特性

研究課題

研究課題/領域番号 08650994
研究種目

基盤研究(C)

研究機関中央大学

研究代表者

高橋 洋一  中央大学, 理工学部, 教授 (90010735)

研究分担者 阿久沢 昇  東京工業高等専門学校, 物質工学科, 教授 (70042702)
キーワード黒鉛層間化合物 / 高電気伝導性化合物
研究概要

本研究では、セシウムなどのアルカリ金属-黒鉛層間化合物をホストとし、これに不飽和結合を持つ有機分子を吸収させて3元系黒鉛層間化合物を合成し、それら化合物の構造および電気伝導度などの特性を測定し、大気中で安定な高電気伝導性化合物の開発の指針を検討した。具体的な研究成果は以下の通り。
1.従来、エチレンを含む3元系黒鉛層間化合物は、ステージ2のセシウム-黒鉛層間化合物をホストとする場合にのみ可能である、とされていたが、ステージ2のルビウムおよびカリウム-黒鉛層間化合物の場合でも、極めてゆっくり3元系化合物を生成することが確認された。エチレン-カリウム-黒鉛層間化合物は、独自の層構造を持つが、大気中安定性が比較的低いことがわかった。
2.ステージ2のセシウム-黒鉛層間化合物をホストとして、エチレン、アセチレンのほか、アクリロニトリル、チオフェンなどの不飽和結合を持つ有機分子を不可逆的に吸収して、3元系層間化合物を生成する。とくにアクリロニトリル-セシウム-黒鉛3元系層間化合物はステージ2の構造を持ち、エチレンを含む3元系化合物よりも高い電気伝導性を保持することが確認された。アクリロニトリルもエチレンと同様に黒鉛層間においてオリゴマー化するとこにより安定になると思われるが、電気伝導度の経時劣化がまだ大きく、生成した3元系化合物の熱処理など、一層の安定化のための条件の探索が今後の課題である。
3.以上のように、本年度においては、アルカリ金属黒鉛層間化合物をホストとし、有機分子の導入による安定な3元系化合物の生成について検討し、反応化学種の選択や反応条件・後処理方法の最適化により、研究目的とした高電気伝導性・大気中安定性を持つ化合物の開発の可能性とその指針をあきらかにした。

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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