ウシChondromodulin-II (ChM-II)のアミノ酸配列から、想定される塩基配列のプライマーを合成し、ウシ胎仔組織からのtotal RNAをテンプレートとして、RT-PCR法を用いてChM-II遺伝子の増幅を行った結果、約300bpのChM-II cDNA断片を得た。このChM-IIの部分遺伝子をプローブとして、ウシ胎児由来のcDNAライブラリーをスクリーニングしたが、ポジティブクローンを得るには至らなかった。そこで、完全長のChM-IIの遺伝子を得るために3′RACEおよび5′RACEを行った結果、ChM-IIの完全長cDNAのクローニングに成功した。塩基配列の解析からChM-IIcDNAは720bp、133アミノ酸残基からなる成熟型ChM-IIのN末端に18アミノ酸残基からなるシグナル配列が付加した前駆体蛋白質として生合成されることが推定された。cDNAの構造解析から、ChM-IIがrepeat構成を持たないことが判明し、MIM-1のウシ遺伝子産物に相当する蛋白質とは異なる新規な遺伝子産物であると考えられた。ChM-II遺伝子の発現組織を特定するために、先にクローン化したChM-IIcDNAをプローブとして、ウシ胎仔全組織poly (A)+RNA、ラット骨poly (A)+RNA、ラット骨芽細胞poly (A)+RNAを解析した結果、ウシ胎仔全組織で約1kbpヒト各種臓器のpoly (A)+RNAを用いたノーザンブロット解析を行った結果、膵臓と胸腺でChM-IImRNAの発現が確認された。
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