高齢者の保健、スポーツ対策の中心は地域社会にあることから、町レベルの自治体の取り組みが高齢者の健康、体力に影響を与えていると考え、本年は地域住民に人気のあるスポーツ的イベントを継続的に行っている沖縄県佐敷町の住民を対象に、健康・スポーツ等に関する意識調査を実施した。 平成9年11月、沖縄県佐敷町新里及び兼久地区において、地区内の60歳以上の高齢者を対象に、留置法による調査を行った。佐敷町では、健康・体力づくりスポーツ大会や町民運動会等を開催する一方、他に数年毎に「さしきまつり」と称する祭りを行って、その中で集落対抗の綱引き大会を実施して町民の健康・体力に対する関心を高めている。今回の60歳以上の高齢者の有効回答数は男子91名、女子111名、計202名であった。このうち無職の者は54.0%、農業従事者は28.2%であり、佐敷町内での居住年数は平均36.5年、一人住まいは14.9%である。 主な調査結果は以下の通りである。 (1)健康実態:最近の自覚的健康状態が良好と答えた者は67.3%、自覚的体力状態が良好と答えた者は58.0%、持病や障害があると答えた者は26.7%、入浴等で介護を要する者は3.5%、一人で自由に外出できる者は77.2%であった。 (2)健康行動:健康のために運動を行っている者は9.9%、スポーツを行っている者は8.8%、何らかの健康法を実践している者は40.1%、喫煙をしない者81.6%、飲酒をしない者61.9%、塩分の摂取を控えている者74.3%であった。 (3)健康意識:体を動かすのが好きと答えた者が80.2%、自分が健康によく気を配る方であると答えた者は83.6%、これからまだまだやりたいことがあると答えた者は63.4%、これからまだまだ長生きしたいと答えた者は77.7%であった。
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