研究概要 |
平成9年度の研究実施計画は,昭和初期に於ける富山県や長野県でのスキー指導や用具の開発に,桜庭留三郎が如何なる業績を残したのか明らかにすることであった.それに従って平成9年度は以上の内容について,3本の論文にまとめた.以下,論文の内容を概略しながら研究業績の概要とする. 論文「日本スキーの開拓者桜庭留三郎ー大正時代初期から中期までの樺太での活躍ー」( 『日本スキー学会誌』 )では,桜庭留三郎の青年時代の樺太における活躍についてまとめた.スキー競技者やスキー指導者として,大正時代初期から中期までの樺太スキーの基礎を確立する時期に,積極的に重要な役割を果たしたことを明らかにした. 論文「大正末期から昭和初期における富山県の金田スキー製作所について」( 『スポーツ産業学研究』 )では,富山県の金田スキー製作所に焦点を当て,スキー製造に桜庭留三郎が積極的に関わり,重要な役割を果たしたことを明らかにしている.特に,豊富なスキー経験とスキーに関する知識により,スキーの形状等重要な研究上のアドバイスを行った. 論文「大正12年第1回全日本スキー選手権大会参加への樺太の取り組みについてー桜庭留三郎を初めとする選手選考を中心にして」では,大正12年第1回日本スキー選手権大会に樺太の選手が如何なる経緯で選考され参加をしたのか,スキー選手桜庭留三郎等に焦点を当て明らかにした.第1回大会参加へ,樺太が威信をかけて取り組んだことが明かになった.
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