研究概要 |
歴史時代の気候変動について,モンスーンアジアと北大西洋周辺地域の2つの地域間の関係の解明を目的に,研究を行った。とくに「中世温暖期(11〜13世紀)」と「小氷期(16〜19世紀)について,世界規模での気候変動の特色を高い時間精度で明らかにすることを目的とした。そのために,これまでに作成を継続してきた「歴史天候データベース」を充実させ,またデータの交換のためにそれらをインターネットを介して提供できるようにする。本研究の遂行により,これまでに達成されたことは以下である。 1.天候・災害記録の収集と整理:日本の史料の収集を,国会図書館や香川県立図書館を中心に行った。多度津藩日記などから得られた古い天候記録を,作成を継続しているデ-ダベースに加えた。 2.古気候データベースの調査と開発:各地のデータベースのフォーマットなどの情報を収集し,格納された古気候データの特色,変換のための問題点および効果的な変換方法などについて,調査した。これらにもとづいて,前記の収集資料を「欧州古気候データベース」などと互換性をもたせて,容易に利用できるようにした。さらに本年から新たに画像データを含められるように,データベースシステムの改良を進めている。 3.インターネットでのデータベースの公開:これまでに作成した古気候データベースについて,平成八年夏より,試験的にインターネット上で公開して利用に供している。同URLは以下である。http://edcgeo.edu.toyama-u.ac.jp/
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