3年間の研究計画の初年度として、「高齢者が現代情報化社会の中で、健康安全に関する情報など必要とされる情報をコンピュータなどの情報機器を活用して有効に得るためには、どうしたらよいか」と言うことについて、基礎的な検討をおこなった。具体的には、主として以下の2つの検討した。 (1)ニフティーサーブとPC-VANのメロウフォーラムなどの高齢者向けフォーラム(シニアフォーラム)について、その活動の特色を会議室の発言等の分析により検討した。その結果、他のフォーラムの発言が「電話的」なのに対して、シニアフォーラムでは「手紙的」であることなど、いくつかの特色が見られたが、これらがシニアフォーラムの本質であるかは、なお検討する必要があろう。 (2)高齢者予備軍とも言うべき人々の意識を知るため、1996年7月に、大手企業の中高年の勤労者約1100名に、留め置き法による質問紙調査を実施した。そのなかで「情報化社会等に関する意識(自由記述)」と、コンピュータ、パソコン通信等への接近度、コンピュータイメージ、健康度、健康観、健康情報・安全情報とそのアクセス、生きがい、交友関係などに関して調査した。その結果は現在分析中であるが、前者については自由記述にしては回答率が高く、また、工場現場の比率が高いので貴重な情報が得られたものと考える。
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