3年間の研究計画の最終年度として、「高齢者が現代情報化社会の中で、健康安全に関する情報など必要とされる情報をコンピュータなどの情報機器を活用して有効に得るためには、どうしたらよいか」と言うことについて、前年度までに実施した調査結果やニフティーサーブのシニアフォーラムのログを対象に検討した。具体的には、主として以下の2つを検討した。 (1) ニフティーサーブのメロウフォーラムという高齢者向けフォーラム(シニアフォーラム)について、その活動の特色を会議室の発言等の分析により、系統的に会議室や発言の量を増やして検討した。特に、健康や生死に関する話題についての発言を質的及び量的に分析した。高齢者の発言が、電話的でなく、手紙的であるなどが明らかになった。 (2) 一昨年度に実施した大手企業の中高年の勤労者約1100名に対する質問紙調査を更に分析した。その結果、主観的健康度は生産現場職が高いこと、個人や家庭でのコンピュータ利用の文脈は、個人や家庭での使用と仕事での(半強制的な)使用では全く異なり、ストレスとの関連も異なること、女子は営業職が多いせいか、仕事ではコンピュータを使うが、コンピュータ親和性が低いこと、愁訴やストレスは全体として多いが、男女、職種でその解消の方法が違うことなどが明らかになった。
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