研究概要 |
本年度の研究では,下記2点について新たな知見が得られ,それに基づいて昨年度の試作システムを拡張した. 1.昨年試作した,パン・チルトの制御を行う対象検出・追跡システムにズ-ムの変更機能を加えるため, (1)ズ-ム変更をした場合のカメラキャリブレーション法 (2)ズ-ム変更を許容する背景モデルへの拡張 (3)ズ-ム変更を許容する画像生成法 を開発した. 2.試作システムによる対象の検出・追跡を行った場合,システムの応答時間の遅れによって,高い追従性は得られない.この問題を解決するため, (1)対象の検出と同時に,追跡対象の運動予測を行うようにシステムを拡張した. (2)対象の追跡を行うために必要となるカメラアクションに要する時間の推定を行った. (3)「追跡対象の運動予測」と「カメラアクションに要する時間推定」の両者から,最適なカメラアクションを決定するアルゴリズムを考察した. これにより,高速に運動する物体に対しても,パン・チルトの制御を行い,しかも,ズ-ムの変更を行いながら,対象を安定かつできるだけ大きくとらえることができる,カメラアクションが実現できた.
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