九州と南西諸島における諸火山の地形・地表状態と噴煙活動についての衛星画像による解析を行った。さらに、熱画像については衛星センサーの較正も含めての詳細な解析を進めて、火口の熱的状態と噴煙高度の衛星画像による評価を行おうとしている。 桜島の噴煙活動についてはビデオカメラやカメラによる観測を継続して行うとともに、日射量に与える局地的影響を新たな観測体制の整備によって解明しつつある。また、衛星画像で噴煙拡散の様々な形態を検出し、鉛直シヤ-モデルによる解析を行った。特に、1991年の気象衛星ノアの昼間のデータ全てについての検討では、桜島からの200km以上の噴煙流を数例捉えるとともに、雲仙や阿蘇の小規模な噴煙についても検出可能なことを明らかにし、これらの拡散形態が鉛直シヤ-モデルによって高層気象データと整合的に理解できることが解った。 今後は、噴煙上昇のダイナミックスや、噴煙拡散と九州各地の火山ガス地表濃度の関係を更に追求することが課題である。
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