研究概要 |
当科における粘液産性膵腫瘍36切除例(1997年2月、38例)において、術前画像診断、手術所見および病理報告および、外科手術後の予後について検討し報告した(1996,AACRにて発表)。特に、粘液産性膵腫瘍の多中心発生を病理学的、臨床的に証明したことに意義がある。 Differential Display-PCR(DD-PCR)法による遺伝子発現の解析のため、切除標本を採取し保存を開始した。DD-PCR法の技術の安定化のため、培養細胞を用いて経時的な遺伝子発現の変化を解析中である。また、大腸腺腫細胞膜に特異的に発現する糖蛋白を同定するAdnab-9抗体により通常型膵癌とは異なり粘液産性膵腫瘍が特異的に染色されることを共同研究にて明らかにした(1997AASLDにて発表予定)。また、マイクロサテライトマーカーを用いたLOHの検索が進行中であり、adenoma-carcinoma sequenceの存在について遺伝子解析により明らかにされると考える。
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