研究課題/領域番号 |
08877228
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
鈴木 龍太 昭和大学, 医学部, 助教授 (50154604)
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研究分担者 |
大嶋 明彦 昭和大学, 医学部, 助手 (80276526)
樋口 輝彦 昭和大学, 医学部, 教授 (90105883)
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キーワード | 脳腫瘍 / メンタルケア / QOL / インフォームドコンセント / ストレス |
研究概要 |
本研究は脳腫瘍患者の社会復帰後のQuality of life(QOL)向上を得ることが目的である。まず入院中および治療後の患者の心理的状態を把握し、ストレスの原因を追求する。これら結果を踏まえてインフォームドコンセントや精神科とのリエゾンを含んだ対応を検討し、患者のストレスを最小限にするサポート法を確立する。 まず前年までのpreliminary studyから本研究のプロトコールを作成した。そのテスト内容は 1.患者の病気に対する理解や医療関係者とのコミュニケーションの程度を見るためのオリジナル質問表 2.患者の精神状態や情緒変化を見るためのPOMS(psychiatric outpatient mood scales)テスト 3.患者の主観的健康度をチェックするためのCMI(Cornell medical index)健康調査表 4.自己記入式質問表によるQOL調査表 である。このテストを入院時、治療終了時、退院後6か月から1年後の社会復帰時の3回実施して経過をみることとした.本年度は30名の脳腫瘍患者と、別に比較の意味で10名の無症候性の未破裂脳動脈瘤で手術を受ける患者について初回テストを行い。これらの患者の一部に退院時、及び社会復帰後のテストを行った。入院時CMIは比較的良好で、医療関係者とのコミュニケーションが良好であれば、入院時の不安は軽減されていることが示された。しかしCMIでカテゴリー3以上を示した例は脳腫瘍例で3例、脳動脈瘤例で2例あり、脳動脈瘤例では2例とも自殺傾向を示した。脳動脈瘤が破裂して突然死ぬかもしれないという不安はかなりストレスの強いものであり、医師の説明に考慮が必要であると考えられた。Follow-up studyは未だ十分な例で実施できておらず来年度の本研究で行う。
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