研究課題
平成20年度は、次のような課題を実施した。(1)好熱菌型TrmBの触媒メカニズムの推定tRNA m7G46メチル化酵素(TrmB)は、真正細菌、真核生物、古細菌に共通してみつかっており、機能解析、構造解析等がすすめられているが、その詳細な反応メカニズムは分かっていなかった。そこで、当該酵素の触媒メカニズムを明らかにするために、変異酵素を14種作製し、これらを用いて反応速度的解析および熱力学的解析を行った。以上の実験から、基質tRNAおよびメチル基供与体のAdoMetとの結合に関係するアミノ酸残基を同定した。また、構造データをもとに、反応メカニズムの推定を行った。(2)tRNA m^7G46修飾の役割を明らかにする好熱菌TrmB遺伝子破壊株を作製したところ、破壊株は高温では非常に生育が悪くなるということを明らかにした。また、遺伝子破壊株tRMAは、m7Gだけではなく、他のtRNA修飾ヌクレオシドも減少していることが分かった。このことから、TrmBと他のtRNA修飾酵素との連動性が示唆され、現在、投稿論としてまとめつつある。(3)古細菌由来tRNA m^7Gの分析古細菌tRNA中に46位以外にm7Gかおることを発見した。また、これまで古細菌で見つかっていなかった新規な修飾ヌクレオシドも発見し、質量分析により修飾位置を同定した。
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