研究課題/領域番号 |
09041165
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研究種目 |
国際学術研究
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応募区分 | 学術調査 |
研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
邑田 仁 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90134452)
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研究分担者 |
武 素功 中国科学院, 昆明植物研究所, 教授
秋山 弘之 姫路工業大学, 自然環境科学研究所, 助教授 (70211696)
永益 英敏 京都大学, 総合研究博物館, 助教授 (90218024)
菅原 敬 信州大学, 理学部, 助教授 (10226425)
植田 邦彦 金沢大学, 理学部, 教授 (60184925)
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キーワード | 日華植物区系 / 石灰岩 / 植物相 / 多様性 / 生活史 |
研究概要 |
平成9年9-11月に邑田・立石・菅原・秋山・工藤・田中(研究協力者)の6名を派遣し、現地参加の武・楊と共同で、云南省と広西省の省境付近で現地調査を行い、石灰岩地域と非石灰岩地域との違いを比較しつつ、分類学的検討のため種子植物、シダ類、コケ類の標本資料約2000点を採集した。採集した標本は昆明植物研究所で乾燥し、日本人研究者が帰国後に、都立大牧野標本館に郵送してもらった。重複標本の半分は昆明植物研究所に残した。現在、牧野標本館でのラベル入れ、予備同定が終わり、詳しい検討に着手している。この過程でツリフネソウ属などで未知の種類が採集されており、新種記載のため引き続き検討している。生態的には、サツマイナモリ属の1種に著しい2型花柱を示すものが見つかったので、花部の液浸標本を採取し、集団解析してその本質について検討している。また、石灰岩洞窟で特殊な条件下に生活するタネツケバナ属の1種の種子を採取することができたので、種子から栽培してその生活史を観察している。特にツリフネソウ属、ウマノスズクサ属などについては染色体観察のため、その根端を現地で前処理・固定し、日本に持ち帰って比較観察中である。現地調査ではDNA抽出と染色体観察のため、生材料を採取し、シリカゲルで乾燥後、昆明植物研究所に持ち帰り一部はそこでDNAの抽出を行った。また一部は乾燥試料として日本に持ち帰り、DNAの抽出を行った。これらの試料、および系統解析に必要な近縁植物から抽出したDNAについて、PCRでrbcLやmatKなどの遺伝子およびrRNAのITS領域を必要に応じて増幅した後その塩基配列決定を行っている。次年度の調査計画については今年度の結果を見て最も効率のよい地域を選ぶ予定である。なお、平成10年2-3月に楊を日本に招聘する予定については、ビザ発給が遅れたため実現しなかったので、次年度計画に持ち越すこととした。
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