研究分担者 |
前田 和茂 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20125652)
上村 正康 九州大学, 理学部, 助教授 (10037210)
野海 博之 高エネルギー加速器研究機構, 物理研究部, 助手 (10222192)
高橋 俊行 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50281960)
田村 裕和 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10192642)
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研究概要 |
本研究は、日米3つの加速器で得られるπ中間子、K中間子、光子(電子)ビームとそれぞれの加速器施設の高性能検出器を用い、軽いAハイパー核の構造を明らかにすることを目的とする。そのため、(1)KEK・PSにおいて(π+,K+)反応、(2)米国BNL・AGSに3いて(Stopped K-,π0)反応、(3)米国CEBAFにおいて(e,e'K+)反応、により軽いAハイパー核のスペクトロスコピー研究を共同して実行し、ストレンジネスを含むハドロン多体系の構造とu,d,s3種のクォークを含むパリオン間の相互作用を明らかにすることを目指している。 本年度は、日本測研究者は、CEBAFでの電子線ビームを用いたラムダハイパー核のスペクトロスコピーを米国側共同研究者と協力して重点的に進めた。600keV(FWHM)というこれまでの最高運動量分解能で、p-shellラムダハイパー核の構造を明らかにする実験準備が、本共同研究によって大きく前進した。また、橋本らによるp-shellより重いラムダハイパー原子核の(具体的には^<28>Si)構造を分光学的に明らかにする実験提案が認められた。CEBAFでの共同研究に関しては、散乱電子の磁気スペクトロメータによって分析された焦点面での位置情報を精度よく測定するためのシリコン・ストリップ検出器及びその読み出し回路が製作され、その動作テストが進められた。実験条件を満たすことが確認され、最終的な検出器が製作されるとともに、焦点面検出器として実際に設置する方法、検出器としての較正、放射線損傷のモニター方法が検討ざれ、ソフトウェアも含めてその準備が進められている。 一方、KEK-PSにおいては(π、K)反応による実験は、軽いラムダハイパー核のデータ解析が進展し、その構造さらにラムダハイペロン相互作月に関する知見が得られている。BNLにおいては(Stopped K-,π0)反応によるスペクトロスコピーが第1段階のデータ収集を終了し、予備的ながら初めて^<12>Bラムダハイパー核のデータが得られた。
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