研究分担者 |
網谷 龍介 神戸大学, 法学部, 助教授 (40251433)
月村 太郎 神戸大学, 法学部, 教授 (70163780)
都丸 潤子 神戸大学, 大学院・国際協力研究科, 助教授 (00252750)
松下 洋 神戸大学, 大学院・国際協力研究科, 教授 (60065464)
アレキサンダー ロニー 神戸大学, 大学院・国際協力研究科, 教授 (40221006)
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研究概要 |
1997年10月に連合王国ウルズウォーターにてシェフィールド大学とのセミナーを行った.6つのセッションを設け,活発な討議を行った結果,以下のような新しい知見を得ることができた. 世界全体を覆うかに見えるアメリカ型のグローバル化の進展には,その拡大についても内実についても限界が存在する.内在的限界とは,普遍的と思われている様々な価値・制度(「市場」「民主制」「政党」など)が先進地域であるヨーロッパにおいてもその有効性や内実を問われているという点である.EU参加を目指す旧東欧諸国においても一方的な「吸収」への反発は少なからず存在している.また拡大の限界とは,周辺的な諸地域において,グローバル化に対する代替案が-国家主権の強化という退行ではなく-独自の地域統合構想や,非国家的主体による国境を越えたネットワークの形成という形で提示され始めている,という点である. 議論の全体を貫くテーマは,このようなグローバル化の限界を出発点として,新しい普遍性をいかに構想するかというものであり,様々な事例を通じてこの点に関する参加者の認識は大きく深まった.ここで共有された認識を基礎に,次年度はさらに踏み込んだ議論が行われる予定である.
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