研究課題/領域番号 |
09045030
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会学(含社会福祉関係)
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研究機関 | 国際日本文化研究センター |
研究代表者 |
石井 紫郎 国際日本文化研究センター, 研究部, 教授 (00009797)
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研究分担者 |
笠谷 和比古 国際日本文化研究センター, 研究部, 教授 (90124198)
園田 英弘 国際日本文化研究センター, 研究部, 教授 (50027562)
木村 汎 国際日本文化交流センター, 研究部, 教授 (80001767)
白幡 洋三郎 国際日本文化研究センター, 研究部, 教授 (10135543)
鈴木 貞美 国際日本文化研究センター, 研究部, 教授 (60179207)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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キーワード | 日欧文明 / 文化交流 / 誤解と偏見 / 自己認識 / 他者理解 / ジェンダー / 固有のもの / 日蘭交流 |
研究概要 |
本研究は、具体的実施の過程で下記の三つのサブテーマを設定し、分担形式で進めた。 (1)日欧文明・文化交流の前提としての、あるいは交流によって交換された、それぞれの文明・文化の特徴の比較 《誤解と偏見》の基層 (2)日欧文明・文化交流の具体的諸相-《誤解と偏見》の坩堝- (3)現代の文明・文化交流の文脈において日本が持つ国際的意味-《誤解と偏見》から《モデルとしての理解》へ- およそ自己認識と他者理解は、他者との接触を契機に不可避的に生じる彼我の比較によって始まる。わが国のように全く対照的な二つの文明・文化と(前後して)接触した場合には、自己認識と他者理解両次元で二つの「誤解と偏見」が複雑に絡み合い、影響し合う。自己が何であり、何を有する存在であるか、という問いは、「誤解と偏見」に満ちた他者(例えばヨーロッパ)理解を媒介としてのみ行われる。しもその他者理解は、もう一つの他者(例えば中国)に対する理解によって規定される。 サブテーマ(2)は、この三つ巴の関係を解明するためのボーリングを意図したものである。取り上げるべき問題は様々であるが、我々はさしあたり「自然」の理解及びジェンダー(人間関係の基底としての「性」理解)を取り上げた。 また、このような自己認識にも潜む「誤解と偏見」の分析を前提にして、はじめて「固有のもの」を正確に把握できる。そして逆にこの正確な把握は、(「誤解と偏見」を当然に伴う)「交流」の実像の把握を可能にする。サブテーマ(1)はまさに「この固有のもの」の比較を意図したものである。「日蘭関係」は本年をもって400年を迎える。それを目前に、あえて「日蘭交流史」ではなく、それぞれの「固有のもの」の比較を企画したのは、「誤解と偏見」を注意深く腑分けして初めて見えてくる「固有のもの」の提示をもって、日蘭交流の新世紀を切り拓こうとするからに他ならない。 サブテーマ(3)も、こうした「固有のもの」の正確な把握を前提に、「日本モデル」のグローバルな意味を問おうとするもであった。
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