研究分担者 |
宇野 滋 北海道大学, 歯学部附属病院, 講師 (00168733)
片山 直 明海大学, 歯学部, 助教授 (10105596)
河野 篤 鶴見大学, 歯学部, 教授 (00064345)
田上 順次 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (50171567)
新谷 英章 広島大学, 歯学部, 教授 (80034239)
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研究概要 |
CAD/CAMシステムを用いた新規修復技法を確立し,良好な臨床成果を得るために,本年度は次の項目について検討を行った。 1,セレック2インレーの窩壁適合性試験をセレック1を対照として行った。箱形II級窩洞でセメント層の厚さを測定し窩壁適合性を調べた結果,セレック2は117.9μmとなり,セレック1の143.6μmと比較して,セメント層の厚さが小さくなる傾向を示した。2,CAD/CAM用陶材Vita Celay Blocksの表面性状が色調の測色値に及ぼす影響を調べた。その結果,表面を細かく研磨していくと,測色値が変化していくことが分かった。3,セレック2専用陶材(Vita-blocs MarkII)およびフィラー高密度配合コンポジットレジンインレー材料(エステニア)とを,咬合運動を模倣した摩耗試験器でヒト抜去下顎小臼歯頬側咬頭と直接接触させ,材料の摩耗量を測定するとともに,対合エナメル質の摩耗性を走査型電子顕微鏡で観察した。その結果,ポーセレンの摩耗量はレジンに比べ有意に少なかったが,対合エナメル質の摩耗量はポーセレンのほうが大きかった。4,エナメル質接着を原則とするラミネートベニア窩洞に対し,切削部がジスクのみで構成されているセレック1ではベニアの製作が困難であったのに対し,切削部にバ-を追加併用したセレック2では容易になった。しかしながらセレック2によるベニアも,窩洞に適合させるためには辺縁部および内面部の調製が必要であること,また症例によりベニア中心部が薄くなる場合のあることが明らかとなった。5,In vitroにおいてthree-body摩耗試験器を用いてCAD/CAMセレックインレー辺縁に露出したレジンセメントの幅と摩耗深さとの関係を4種のレジンセメントについて測定した結果,いずれのセメントにおいても,セメントの幅が増すと摩耗深さも増加する傾向が認められ,セメント幅500μmの部位で約50μm程度の摩耗がみられた。
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