研究分担者 |
加藤 喜郎 日本歯科大学, 新潟歯学部, 教授 (20060452)
河野 篤 鶴見大学, 歯学部, 教授 (00064345)
田上 順次 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (50171567)
宇野 滋 北海道大学, 歯学部・附属病院, 講師 (00168733)
岩久 正明 新潟大学, 歯学部, 教授 (70013927)
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研究概要 |
(1)セレックインレーの臨床経過観察で,15例中の5例において対合歯摩耗が認められた。この対合歯摩耗は2年次まで進行が著しかったが,その後はさほど進行しなかった。(2)レーザー光を応用した三次元曲面形状計測装置を用いて研究用模型の計測を行ったところ,死角の存在が大きな問題となった。そこで,多方向からの分割計測法を応用し,この問題を解決した。(3)分光測色器を用い陶材の測色を行い,光学特性を考慮したより客観性のあるデータをもとにKubelk-Munk方程式を応用した予測式を用い色予測を行った。その結果,予測値の精度を高めるためには,必要な補正などについて検討しなければならないことが分かった。(4)CAD/CAMシステムGN-1を使用し,専用レジンブロックによるMODインレーを加工したところ,良好なインレーの適合を得ることができなかった。そこでスペーサーを使用し同様に加工を行い試適したところ,未調整のインレー体に比べ適合性が向上した。(5)2級インレー修復物の平均セメントの厚さは,セレック2群で53.8〜156.1μm,焼成群で43.4〜54.1μmであった。一方ラミネートベニア修復物では,セレック2群で71.3〜98.3μm,焼成群で43.4〜54.1μmであったが,セレック2で効率的にベニアを作製することは極めて困難であった。(6)セレイシステムとセレック2システムで作製したインレー修復物の3か月までの臨床経過を観察したところ,両群とも辺縁適合性は良好であった。(7)70%以上のフィラー配合デュアルキュアー型レジンセメントは,60%以下のものに比べ,有意に耐摩耗性を示した。高いフィラ-含有量による耐摩耗性の向上は,より広い間隙幅でより顕著であった。(8)種々の歯面処理法や合着材を用いて装着したセレックインレーの適合性および象牙質との接着強さについて検討したところ,合着材の重合収縮や温度変化による膨縮が適合性に大きく関与し,歯面処理法としては象牙細管の走向によって接着強さが変わらないシステムの選択が重要であることがmicrotensile法の応用により分かった。
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