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1997 年度 実績報告書

ヤクニホンザルの実験動物化

研究課題

研究課題/領域番号 09358017
研究種目

基盤研究(A)

研究機関京都大学

研究代表者

庄武 孝義  京都大学, 霊長類研究所, 教授 (00003103)

研究分担者 岩本 光雄  日本モンキーセンター, 所長 (20027478)
後藤 俊二  京都大学, 霊長類研究所, 助手 (90093343)
松林 清明  京都大学, 霊長類研究所, 助教授 (50027497)
川本 芳  京都大学, 霊長類研究所, 助教授 (00177750)
キーワードヤクニホンザル / 実験動物 / マイロサテライト / ミトコンドリアDNA / 遺伝的変異性 / founder effect / 血液学的標準値 / 寄生虫
研究概要

平成9年度は主として分担者岩本の助けを借り、日本モンキーセンターのヤクニホンザルを主材料として研究を行った。庄武はすでに20年以上前に血液蛋白レベルの遺伝的変異性はホンドザルに比べ極端に低く変異性の指標で有るHは0であることを報告しているのでここではDNAレベルの変異性に焦点をしぼり検索を行った。
(1)まずいろいろな動物の親子関係の判定に使用される非常に変異性の高いマイクロサテライトDNAをヒトのプライマーに反応する18座位検索した結果、ホンドザルでは多型を示す9座位が単型であり中にはホンドザルに見出せない対立遺伝子に固定していた。このことはタンパクレベルで示唆していたヤクニホンザルは屋久島が本土と隔離されたとき少数個体隔離されその後集団が増大して現在の集団を形成した、すなわち、かなり大きなfounder effectを経験しており遺伝的変異性の非常に少ない集団であると言うことを強く支持するものである。
(2)これをより詳細にするため分担者川本はミトコンドリアDNAのD-loop域やCOH域の塩基配列を決めつつある。
(3)また分担者松林はヤクニホンザルの血液学的および血液生化学的標準値を35項目について検索した。
(4)分担者後藤はモンキセンターのヤクニホンザルに加え屋久島現地の個体の消化管内寄生虫叢を詳細に検索し、ヤクニホンザルから5種の線虫卵が検出された。中でも胃虫の寄生が最も多く(93.2%)、鞭虫がこれに次ぎ(67.8%)あった。食道虫の寄生が観察され、これはホンドザルには検出されずヤクニホンザルに特徴的なものである。
今後各検索項目について供試個体を増やしヤクニホンザルの実験動物としての有用特性を記載して行く。

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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