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1997 年度 実績報告書

疑似科学的信念の形成と機能に関する行動科学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 09410033
研究機関広島大学

研究代表者

浦 光博  広島大学, 総合科学部, 助教授 (90231183)

研究分担者 嶋田 洋徳  新潟大学, 人文学部, 講師 (70284130)
坂田 桐子  広島大学, 総合科学部, 講師 (00235152)
林 光緒  広島大学, 総合科学部, 助教授 (00238130)
岩永 誠  広島大学, 総合科学部, 助教授 (40203393)
坂田 省吾  広島大学, 総合科学部, 助教授 (50153888)
キーワード科学 / 疑似科学的信念 / 脳科学 / 科学教育 / 超常現象 / 入眠時幻覚 / 迷信行動
研究概要

本年度は、疑似科学的信念についての多面的なアプローチのための基礎的な資料の収集のため、以下の3つの研究を行った。
第1に、脳科学についての人々の信念のあり方を探るため、大学生を対象とした調査を行った。この調査の目的は、近年の「脳科学」の隆盛に垣間見られる疑似科学的側面の実態を明らかにすることであった。脳の潜在的機能の科学的解明の実現可能性の高さと、科学的解明への願望の強さとの間の相関が求められた。脳科学に関連する授業を受講している群では両者の間に有意な正相関が認められたが、受講経験のない群では無相関であった。このことから、科学的な知識を体系的に獲得することによって、疑似科学的信念の形成が抑制されることが示されたといえる。
第2に、入眠時幻覚についての精神生理学的な検討を行った。巷間超常現象と呼ばれる種々の現象の中には、入眠時幻覚であると考えられるものもあるが、その存在は必ずしも客観的な手法によって確認されてきたわけではなかった。本研究においては、入眠時幻覚と事象関連電位との間に関連が認められ、客観的な指標でその存在が確認された。
第3に、迷信行動についての基礎的な分析が行われた。大学生を対象に0から9までの数字のうちいずれかを選んで記入する、という単純な手続きの実験を行ったところ、「3」が最もよく選択され、その被選択確率は他の数字の被選択確率よりも有意に高かった。何ら手がかりを与えていない状況で、数値の選択にこのような偏りが認められたことは、客観的な根拠のない情報が一定の社会的リアリティーを持つという、迷信行動の生起過程の最も原初的な現れであると考察された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 道田奈々江・林 光緒・堀 忠雄: "入眠時心像の体験が事象関連電位に及ぼす影響" 脳波と筋電図. 25. 269-275 (1997)

  • [文献書誌] 道田奈々江・林 光緒・堀 忠雄: "視覚的イメージ想起時における事象関連電位" 生理心理学と精神生理学. 15. 61-66 (1997)

  • [文献書誌] Michida,N., Hayashi,M and Hori,T.: "Comparison of ERPs with and without hypnagogic imagery." Psychiatry and Clinical Neurosciences,. 52. 21-23 (1998)

  • [文献書誌] 林 光緒: "なぜ夢を見るのか" LiSA. 80-82 (1998)

  • [文献書誌] 坂田省吾: "数字の選択行動に関する行動科学的アプローチ" 広島大学総合科学部紀要IV理系編. 23. 121-128 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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