研究課題/領域番号 |
09410069
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
寺田 盛紀 名古屋大学, 教育学部, 教授 (80197805)
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研究分担者 |
坂野 慎二 国立教育研究所, 教育経営研究部, 研究員 (30235163)
永田 萬享 福岡教育大学, 教育学部, 助教授 (70155935)
新海 英行 名古屋大学, 教育学部, 教授 (00036055)
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キーワード | ドイツ / 日本 / 職業教育 / 専修学校 / 企業内訓練 / 総合学科 / 高校職業教育 / 資格制度 |
研究概要 |
本年度は、昨年度につづき(1)ドイツと日本の学校職業教育と企業内訓練の関連に関する実態を解明すること、(2)1980年代以降のそれらの改革動向を実証的に調査することに努めた。(3)また、本研究の最終目的であるドイツと日本の職業教育システムを国際比較の中でモデル化する基礎的作業も行った。 (1)の日本の学校職業教育に関しては、図書業績1に所収されている「高校職業教育の専門性」に関する研究(寺田)、論文業績3の愛知県を事例とした専門学校の職業教育に関する研究(新海)、また日本の企業内教育については自動車産業を事例としたテクニシャン養成のシステムに関する研究(永田)などを行った。 他方、ドイツの職業教育の実態については、論文業績1の資格制度との関連についての研究(寺田)、マイスター養成という視角にもとづきドイツ職業教育システムを解明した研究(坂野)などを進めた。 いずれにせよ、日独両国とも高等教育進学率の向上と産業と職業への情報化の影響にともなって従来のシステムが曲がり角に来ていることがわかった。 (2)の改革動向に関しては、おもに日本に関して研究を進め、職業教育改革の一環としてみた高校総合学科の展開に関する成果(論文業績2、6)をあげることができた。総合学科の研究を通して、職業教育システムが従来のように初期職業教育でのみ完結せず、ポストセカンダリーや生涯職業能力開発との関係で改革を迫られていることが明らかになった。 (3)に関しては、具体的には、比較職業教育理論の構築をめざすべく、近年のドイツの基礎理論文献の1つを翻訳・出版した。 年度当初の計画との関係でみれば、ドイツの企業内職業教育と成人職業教育について海外出張などを通して実態研究を進めたが、なお論文化するには至らなかった。来年度(最終年度)の課題としたい。
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