研究分担者 |
正岡 弘照 京都産業大学, 理学部, 助教授 (30219315)
福井 和彦 京都産業大学, 理学部, 教授 (30065883)
勝良 昌司 京都産業大学, 理学部, 教授 (80065870)
水原 亮 京都産業大学, 理学部, 教授 (30065776)
伊藤 正美 京都産業大学, 理学部, 教授 (50065843)
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研究概要 |
今年度は,3次ユニタリ群上の保型形式のFourier-Jacobi展開の基礎理論の確立を目指した.そのために,新谷のrefined Fourier-Jacobi展開の理論の精密化を行った.具体的には,refined Fourier-Jacobi展開に現れる原始的テ-タ関数の局所理論と大域理論である. 局所理論としては,原始的テ-タ関数をHeisenberg群の既約無限次表現の表現空間の元ととらえ,表現空間に作用する1次元ユニタリ群のWeil表現の既約分解を決定することにより,refined Fourier-Jacobi展開に現れうる原始的テ-タ関数を特徴づけた.これは,次に述べる大域的理論において重要になる. 大域理論を完成するためには,大域的な原始的テ-タ関数(局所理論により,Weil表現に関する固有値で定数倍を除いて一意的に定まる)のcanonicalな指定をすることが不可欠である.このために,正則なEisenstein級数のrefined Fourier-Jacobi展開をexplicitに求めることを試みた.結果として,基礎体に関するある条件の下で,展開係数が本質的にはalgebraic Hecke characterのL-関数の特殊値で表されることが示された.この結果から,大域的な原始的テ-タ関数をどのようにcanonicalに指定したらよいかという問題に解決の糸口がついたと思われる.
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