研究分担者 |
菅野 孝史 金沢大学, 理学部, 教授 (30183841)
正岡 弘照 京都産業大学, 理学部, 助教授 (30219315)
石田 久 京都産業大学, 理学部, 教授 (10103714)
水原 亮 京都産業大学, 理学部, 教授 (30065776)
勝良 昌司 京都産業大学, 理学部, 教授 (80065870)
|
研究概要 |
今年度は,昨年度に引き続いて,ユニタリ群上の保型形式のFourier-Jacobi展開の理論の展開と,それに関連する局所調和解析の研究を行った.得られた結果の概要は次の通りである.(1,2は,菅野孝史氏(金沢大・理)との共同研究である.) 1. U(1)のmetaplectic表現の局所的理論をさらに詳細に研究した.これにより,dual reductive pair(U(1),U(1))のepsilon dichotomy現象の簡明な別証と,その精密化が得られた.すなわち,U(1)のmetaplectic表現Mの既約分解に現れるU(1)の1次元表現χをそのepsilon factorによって特徴付け(epsilon dichotomy),さらにχが現れるMのfiltrationをχのArtin conductorの言葉で決定した. 2. 昨年度行ったU(2,1)上の正則Eisenstein級数のFourier-Jacobi展開の研究を引き続いて行い,昨年度得られた正則Eisenstein級数のFourier-Jacobi展開係数に関する結果が基礎体に関する条件がない場合にも成立することを示した. 3. 1の結果をU(n)の場合に拡張することを試み,U(n)のmetaplectic表現Mの新しいsplittingを与えた.このsplittingは,これまでのものとちがってmetaplectic表現のmodelの取り方によらず,様々な具体的計算に強力な道具を提供する.特に,U(n)がquasi-splitの場合に,Mの指標公式を得た.この方法は,ほかの古典群の場合にも適用でき,metaplectic表現の理論を簡明なものにすることが期待される.
|