研究概要 |
1 虚軸および実軸に平行な平行スリット領域への近似写像関数の合成により,無限遠点を含む非有界な多重連結領域から一般の平行スリット領域への数値等角写像の方法を提案し,その有効性を数値実験的に検証した.その結果,代用電荷法を適用して,一般の平行スリット領域,円弧スリット領域,放射スリット領域への簡単で精度の高い統一的な数値等角写像が可能になった. 2 上記の方法を様々な2次元ポテンシャル流解析へ適用し,その有効性を数値実験的に検証した.ポテンシャル流に対するポテンシャル論的な方法の適用により,障害物の形や数,渦や湧き出し(吸い込み)点の数,位置,相対的な強さ等の変更が容易である. 3 これまでの研究成果の範囲内で,写像と流れの可視化を含む数値等角写像のための数学ソフトウェアを試作した. 4 代用電荷法で提案された数値等角写像の方法を積分方程式法で定式化し,その基本的な有効性を数値実験的に検証した. また,この研究に関連して,座標のスケール変換に不変な数値等角写像の方法や代用電荷法による実関数の近似法の提案等を行った. 「平行スリット領域,円弧スリット領域,放射スリット領域への数値等角写像の方法の開発と2次元ポテンシャル流解析への応用」に関する研究の一応の完成を次年度の課題としたい.また,ポテンシャル流と関係の深い電磁場や電流場の解析に重要な上記とは異なる標準領域への数値等角写像の方法の開発にも取り組みたい.
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