研究分担者 |
小川 重義 金沢大学, 工学部, 教授 (80101137)
桑江 一洋 佐賀大学, 理工学部, 助教授 (80243814)
小倉 幸雄 佐賀大学, 理工学部, 教授 (00037847)
谷口 説男 九州大学, 大学院数理学研究科, 助教授 (70155208)
国田 寛 九州大学, 大学院数理学研究科, 教授 (30022552)
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研究概要 |
無限次元確率解析における研究実績 ∞-次元トーラスT^∞=[0,1)^∞上のWeyl変換(無理数回転)の軌道{x_n=x+nα}_nを考える.ここに,xは初期値,αは無理数ベクトルである.これを関数f:T^∞→Rに代入してできる列{f(x_n)}_nを(T^∞、P^∞)上の確率過程と見なす.ここでP^∞はLebesgue測度の無限直積.もちろん,これは独立確率変数列ではない.しかし,関数列{f^<(m)>}_mを関数がどんどん複雑になるように取ると,しばしば{f^<(m)>(x_n)}_nがm→∞で独立確率変数列に分布収束することがある.とくに,金沢大学の高信敏氏と代表者杉田の共同研究で,f^<(m)>としてm変数の対称統計量を取ってきたとき,多重wiener積分の独立なコピーに分布収束することを示した. 確率数値解析に関する研究実績 平成10年11月9日〜11日に金沢大学で研究集会「確率数値解析の理論と手法」を開催した.旅費の必要な参加者には本科研費より支給した.参加者の主な研究分野は次の通り:疑似乱数生成,確率微分方程式の数値積分,準モンテカルロ法,マルコフ連鎖の応用,などであった. この研究集会で,杉田は複雑な関数の数値積分法について「準モンテカルロ法のロバスト性」という講演を行った.複雑な関数の数値積分のためにはランダムなサンプル方法が不可欠であるが,独立確率変数列によるサンプリング(古典的モンテカルロ法)ほどランダム性がなくても十分ロバストなサンプリングが可能であり,実際,ランダム化されたWeyl変換が現時点ではもっとも適切であるとした.この結果は,近々,学術誌に投稿する予定である.
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