研究課題/領域番号 |
09440164
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研究機関 | 北海道教育大学 |
研究代表者 |
東海林 明雄 北海道教育大学, 教育学部・釧路校, 教授 (00002692)
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研究分担者 |
西尾 文彦 北海道教育大学, 教育学部・釧路校, 教授 (40044789)
福田 正己 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (70002160)
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キーワード | メタンガス放出 / 湖氷中のメタンガス / 地球温暖化ガス |
研究概要 |
湖沼底から浮上し、湖氷の中に取り込まれている気泡にはメタンガスが含まれており、その濃度並びにガス組成と、それらの起源については、古くから陸水学や雪氷学分野の研究者の強い関心事であった。また、最近は、全地球的温暖化傾向に、メタンガスの果す役割が大きいと考えられるようになり、その放出機構の解明に、湖氷中のメタンガスの研究が重要であると考えられている。しかし、気候的条件に左右される調査の困難性のゆえに、これまで、十分な研究が行われずに経過してきた。湖氷中のメタンガスの研究は国内では少なく、シベリアの湖沼において行われたことはあるものの、局所的・断片的な観測であり、一般的原理の導出に至っていないのが現状である。 北海道東部の太平洋岸は、冬期、晴天が多く降雪が少なく寒冷であるため、湖氷が厚く発達し、しかもその表面が雪で覆われずに、透明な湖氷内部の気泡の蓄積と分布状態の調査のために最も適していることが、今年度の調査で改めて確かめられた。このような、他では得難い好条件のもと、多年にわたる湖氷研究のノウハウの上に、調査を実施した。 結氷下のメタンガスの発生環境である湖底の温度とメタンガスの発生量、湖氷中の気泡の分布とその量を測定した。さらに、採取した気泡の成分分析によりメタンガス量を求めた。 メタンガスの発生量に関する分布図を赤沼と春採湖について作成することができた。 また、湖沼底から浮上する気泡中のメタンガス農度は、夏季には3%程度であったが、湖氷中では50%から70%もの高農度であることが分かった。
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