研究課題/領域番号 |
09440164
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
気象・海洋・陸水学
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研究機関 | 北海道教育大学 |
研究代表者 |
東海林 明雄 北海道教育大学, 教育学部・釧路校, 教授 (00002692)
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研究分担者 |
西尾 文彦 千葉大学, 環境リモートセンシング研究センター, 教授 (40044789)
串田 圭司 北海道大学, 低温科学研究所, 助手 (90291236)
福田 正己 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (70002160)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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キーワード | メタン / メタンガス / メタンガス放出 / 湖氷中のメタンガス / 地球温暖化ガス |
研究概要 |
湖水中のメタンガスの研究は少なく、シべリヤ・アラスカの湖沼等において行われたことはあるものの、局所的・断片的な観測であり、一般的原理の導出に至ってはいないのが現状である。恵まれた観測気候条件のもとで、氷厚の増加と共に、透明な湖水の内部に年輪状に蓄積していく気泡を逐次観測し、その内部のメタンガス量を測定できたことが、本研究の特色である。北海道東部の太平洋岸は、冬期、晴天が多く降雪が少なく寒冷であるため、湖氷が発達し、しかもその表面が雪で覆われずに、透明な湖水内部の気泡の蓄積と分布状態の調査のために比較的適していることが解った。 観測は、主に釧路湿原中央部の赤沼(北緯43°06'20",東経144°21'50")と春採湖で行った。湖沼底から浮上し氷に取り込まれている気泡中のメタンガスの濃度とその容積を求め、メタンガス量を算出した。 1997年12月12日から同月27日までの15日間に赤沼の氷中に取り込まれた気泡量は、1555lで、メタンガス濃度60%とすると、0.75(kg)となり、0.54mg/m^2day)となった。しかし、気泡容積の判定は、これまでの気泡採取経験によるとは言え、およその印象に拠らざるを得なかった。また、一旦氷中に取り込まれた気泡が、氷の結晶の三又粒界を通って、大気中に失われていた部分もあると考えられる。従って、上記の値と現実との間には、数分の一から数倍までの開きがあることも考えられる。調査方法の改善による見積り精度の向上が課題である。 また、春採湖の最深部で求めた湖底から浮上するメタンガス量は、40(g/m^2・yaer)になった。
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