研究課題/領域番号 |
09450235
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
宮崎 亨 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (70024213)
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研究分担者 |
守屋 健 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (40029525)
小山 敏幸 名古屋工業大学, 工学部, 助手 (80225599)
小坂井 孝生 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (80110253)
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キーワード | 分岐理論 / 弾性拘束 / オストワルド成長 / 耐熱合金 / 組成傾斜 / 時効析出 / シミュレーション / 非線形 |
研究概要 |
本研究は、材料科学上重要である組織分岐現象を種々の合金系で調査し、この現象の出現条件を実験・理論両面で明らかにするとともに、これを利用した高性能耐熱合金の開発を目指すものである。今年度までに得られた研究成果は以下のようにまとめられる。 1.粒子成長の遅滞現象を新たに実験的に確認した合金系は、Ni-Al-Tiおよび実用耐熱合金であるIn100に組成の近いNi-Co-Al-Ti-Crである。特に、Ni-Co-Al-Ti-Crでは析出粒子サイズの均一化現象が顕著であり、相分解初期から析出粒子の粗大化の停滞が認められた。 2.近年我々の研究グループが提案した、透過型分析電子顕微鏡を利用した、材料学における新しい実験手法である「組成傾斜時効法」を利用して、Ni基耐熱合金のγ´析出粒子の核形成挙動を調べた。その結果、状態図の析出線の極近傍において、核形成サイズの異常な増大を実験的に世界で始めて捉えることが出来た。さらにこの現象を定量的に解析することによって、粒子粗大化現象の基礎物性データである界面エネルギー密度の値を精度良く導出することができることが明らかになった。 3.弾性拘束下における析出粒子成長過程の計算機シミュレーションを行った。計算の結果、変調構造の形成、析出粒子サイズの均一化,析出粒子の分裂現象、弾性異方性の効果、弾性率不均質性の効果など、弾性拘束下にける特徴的な組織形態変化が全て計算から導かれた。得られた計算結果と本実験結果を比較検討したところ、両者に非常に良い一致が認められ、弾性拘束下における組織形成過程を速度論的に正確に解析する方法論を確立することができた。
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