研究概要 |
平成9年度は,帯電によるX線発生のための条件を明らかにすることを目的とし,真空度,試料電圧,試料物質,試料厚さ,初期電子の有無,等についての研究を行った.平成10年度は,新しい検出器と小型の真空チャンバーによって,装置を小型化し,携帯X線源を実現した.平成11年度は,平成10年度に製作した小型のX線源を改良し,材料分析への応用を目的とした.改良点は,(1)電圧を高くし,重金属の分析を可能とすること,(2)帯電を安定にし,強力なX線を定常的に発生させるようにすること,(3)X線窓を薄くし効率的にX線を取り出せるようにすること,を目指して研究を行なった.しかしながら,現在に至るも,安定で強力なX線を得られる段階に到達していない.気まぐれなX線発生は生じるが,実用分析に十分なX線を得ることができていない.このような不安定なX線しか発生できない原因は種々考えられるが,今後,原因を追求して行くと,新しい物理現象の発見につながる可能性が大きいと考えられる.今後も継続して,帯電によるX線発生の研究に取り組んで行く必要があることがわかった.
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