研究概要 |
今年度の課題と進捗状況は以下の通りである。 1.果実組織の微細構造と転流機構 子葉表皮組織の光学,ならびに電子顕微鏡観察によって,子葉(胚)への転流が子葉表皮細胞の細胞壁をフリースペースとして能動的に行われていることが明らかになった. 2.果実特性ならびに微細構造いおよぼす交配花粉の影響 4品種の果実の糖,デンプン含量におよぼす交配花粉の影響を検討した. 単年度では,丹沢の花粉は糖度を高める傾向にあるが,昨年までに得られたデータも加え,年次変動を考慮して解析中である. 3.食味と微細構造 熊本,愛媛および茨城県の同一品種の果実の煮グリとして食味特性と微細構造との関係を検討した. 煮グリにした場合に加熱後の約30分で糖濃度が最高になり,その後は緩やかに低下した.また,食味の評価と果実の微細構造には一定の相関関係が認められた. 4.着果位置と果実品質 若齢樹では着果位置(方角)による差は少なかった.剪定,樹形の影響を検討するための樹の選定及び剪定処理を行った。
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