農産物及び食品に混入する非金属異物検出のための軟X線CTの開発

1997 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 09460116
• 研究機関: 鹿児島大学
• 研究代表者: 守田 和夫 鹿児島大学, 農学部, 助教授 (70210169)
• 研究分担者: 服部 芳明 鹿児島大学, 農学部, 助教授 (80180909) ; 御木 英昌 鹿児島大学, 水産学部, 教授 (40041727)
• キーワード: 軟X線CT / 食品及び農産物 / 異物混入 / 非金属異物 / マイクロフォーカス / エネルギスペクトル / 画像解析 / 内部検査

研究概要

透過型X線装置では対象物によっては食品と異物の密度差が少なく、X線透過像が不鮮明になり、検出精度も低下する。軟X線領域でのCT化が実現すれば、極めて精度の高い異物検出が可能になる。また、コンプトン散乱光や線質軟化現象を利用すれば、異物の有無ばかりでなく、異物の種類の特定、すなわち構成元素の特定も可能になる。本研究は安価でしかも高精度センサを組み込んだ軟X線CTの開発を行い、農産物及び食品中の非金属異物検出のための計測技術の確立を図るものである。今年度は、軟X線CT装置の設計および試作を行った。まず、装置の諸元決定において、軟X線源となるX 線管球はタングステン対陰極を採用し、放射窓には軟X線成分をほとんど吸収しないベリリウム窓を採用した。また、より微細な構造解析を行うため、管電圧0〜80KV、管電流0〜100μAまで可変のマイクロフォーカスシステムを採用し、精度向上を図った。検出器には6インチのイメージ・インテンシファイヤを採用し、透視画像もCT画像も両方測定できるようなシステムを構築した。CT化のためのステージ部は、Y-θの2軸駆動方式でYは上下250mm、θは360°で任意に移動が可能であるように設計した、撮影プロジェクション数は500で一回の画像取り込み時間は4.5秒以下、CT画像再構成時間は5.5分以内と設定した。これらの条件のもとに設計および試作が行われ、性能試験の結果、ほぼ満足できる試作機であった。現在、CT化のソフトウエアの改良および基礎実験に着手している。

研究成果

• [文献書誌] 守田和夫: "Application of X-ray CT for detection of physical foreign materials in food." ASAE Paper. No.966058. 1-14 (1996)
• [文献書誌] 守田和夫: "Detection of non-metallic foreign materials in food by soft X-ray system with CdTe sensor" ASAE Paper. No.966059. 1-12 (1996)
• [文献書誌] 守田和夫: "Non-destructive detection for foreign materials in food and agricultural products using X-ray system." ICAME Proceedings. Vol 2,. 334-343 (1996)
• [文献書誌] 守田和夫: "VIS-NIR and X-ray properties of detached mature green tomato fruit." SNTIC Proceeding. 331-340 (1997)
• [文献書誌] 守田和夫: "Development of soft X-ray imaging for detecting internal defects in food and agricultural products." SNTIC Proceeding. 305-315 (1997)
• [文献書誌] 守田和夫: "X-ray Characterization of sweet potato weevil larvae development and subsequent damage in infested roots." SNTIC Proceeding. 361-368 (1997)
• [文献書誌] 守田和夫: "ASAE Paper No.973003" Spectral analysis of soft X-ray for detecting foreign material in food using Si-PIN sensor., 1-13 (1997)