研究課題/領域番号 |
09470090
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
成内 秀雄 東京大学, 医科学研究所, 教授 (10012741)
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研究分担者 |
田村 敏生 東京大学, 医科学研究所, 助手 (40291306)
善本 隆之 東京大学, 医科学研究所, 助手 (80202406)
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キーワード | IL-12受容体 / 副刺激 / T細胞抗原受容体 / T細胞上B7-2発現 / CD28 |
研究概要 |
CD4_+T細胞をIL-12の存在下で抗原刺激して増殖させるとTh1細胞が出現するという我々の報告は良く知られている。しかし、この現象の機構については、未知であった。IL-12の作用を受けるためには、その受容体(IL-12R)の発現が必須であることから、今回の研究では、先ずIL-12R発現の機構を解析した。その結果次のことが解った。 1)抗原未感作のnaiveCD4T細胞はIL-12Rを全く発現せず、機能的IL-12R発現のためには抗原受容体(TCR)刺激とB7による副刺激が必須である。TCR刺激のみではIL-12Rβ1の発現は起こるが、β2の発現は起こらない、2)抗原で感作されたことがある記憶T細胞(memory T)はTCR刺激のみでIL-12Rβ1、β2の発現が起こり、弱いながら機能的IL-12Rが発現される。この発現はB7による副刺激で増強される、3)抗原提示細胞上にあって有効に働く副刺激はB7-2であり、B7-1は量的に少なく、有効な刺激を与えられない。次にB7-2分子の発現が抗原提示細胞に限られるか否かを検討した。CD4_+をnaiveとmemoryに別けて表面分子をみたところ、memoryT細胞にはB7-2の発現があることが明かになった。一方、B7-1はみられない。このB7-2はCD28との結合性を有し、CD4T細胞に対して副刺激を入れることも明かになった。さらに、T細胞上のB7-2発現はB7-2刺激そのものによって正に制御されていることも明かになった。また、B7-2の受容体であるCD28に対する刺激がTh細胞亜集団分化に重要な役割を果たしていることを示唆する成績も得られており、今後はIL-12Rの発現に関与するT細胞内分子機構、特にTh細胞亜集団分化に関与するCD28由来シグナルの解析を行う。
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