研究分担者 |
中山 良輔 熊本大学, 医学部附属病院, 助手 (60284775)
田代 雅文 熊本大学, 医学部附属病院, 助手 (60264305)
坂梨 祐司 熊本大学, 医学部, 助手 (30274707)
岡本 泰介 熊本大学, 医学部, 助手 (90191957)
志茂田 治 熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (40187480)
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研究概要 |
1.犬で軽度低体温を3日間実施する麻酔法と管理法の確立 当初麻酔薬として,静脈麻酔薬のプロポフォールと筋弛緩薬のパンクロニュウムを計画し実施した。しかし,麻酔深度調節不慣れと予想外大量使用にともなう経費の点から吸入麻酔薬のハロセンに変更した。(1)大脳皮質,大槽,頸静脈血,脊髄腔,直腸,肺動脈血の各温度を長期間連続的に測定記録する方法,(2)一定部位の体温を目標の低体温(33℃)に0.5℃の範囲で自動的に調節維持するため,冷却水灌流と電気加温マットによる低体温ならびに加温法,(3)上記体温の経時的変化をグラフ化する等,全システムをコンピュータで処理する方法を確立した。平成9年度の研究で,犬の低体温(33℃)を3日間ほぼ完全に自動的に完全に実施でき,復温後犬が正常に呼吸することを確認できた。この成果を平成9年度の九州麻酔学会で報告した。 2.マイクロダイアリーシス法による脳内グルタミン酸濃度測定 マイクロダイアリーシス法の各測定装置(灌流液ポンプ,透析液採取装置,グルタミン酸測定装置)は,ラット脳内物質測定研究に使用しているから犬の実験には,動物あるいは装置自体の移動が必要で,いずれも不可能のであったため当該年度では研究計画を遂行できなかった。 3.心停止モデル犬に対する軽度低体温ECLHA脳蘇生効果検討 低体温の出血傾向を予測し手術後1日待って自然止血確認後ECLHAを開始した。しかし,両者併用後約24時間して,カテーテルや温度計プローブ挿入術創から制御不能の出血を生じ,1日以上のECLHA併用は不可能であった。これまでに開発してきた新しいヘパリン結合人工肺の製造メーカ変更のため,計画していた人工肺を使用できなかったことが出血を助長した。また,低体温時の血液凝固能をthromoelastographyで調べたところ,血液凝固機能が著しく制御されていることを明らかにできた。
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