研究課題/領域番号 |
09470453
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
作田 正義 大阪大学, 歯学部・口腔外科学第2講座, 教授 (00028755)
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研究分担者 |
岩井 聡一 大阪大学, 歯学部・附属病院第2口腔外科, 医員
加藤 逸郎 大阪大学, 歯学部・附属病院第2口腔外科, 医員
中澤 光博 大阪大学, 歯学部・附属病院第2口腔外科, 助手 (70217701)
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キーワード | Porphyromonas gingivalis 381 / lipid A / LPS / lymph node / metastasis / OK-432 / NK activity |
研究概要 |
前年度の結果を受け、本年度はPgingivalis381のlopidAああによる細胞性免疫,特にNK細胞に対する効果とリンパ節への高転移細胞株を用いた転移抑制効果の検討を行った。 NK活性は、Brunnerら(1968)の方法による^<51>Crrelease assayを用いて測定した。LipidAやLPSなどの10または100μg/匹をBALB/cマウスに静注し、最終投与の7日後に牌細胞を採取し、^<51>CrでラベルしたYAC-1 Lymphoma celllineに対する細胞傷害効果を調べた。その結果、PgingivalisのlspidAは極めて強いNK活性の増強作用を示した。 また、所属リンパ節へ高率に転移を起こす乳癌細胞株MM48を用いてin vivoにおけるリンパ節への転移抑制効果をみた。すなわち、マウスの右側腹側部皮内に腫瘍を移植した後、1日目から9日目までlipidA(50μg/匹)あるいはpositive controlとしてOK-432(1KE/匹)またはLPSを皮下投与した。腫瘍移動後10日目に右側鼠径リンパ節を採取し、細切してリンパ節中の細胞を分離し、塗沫標本を作成し、リンパ球と腫瘍細胞の比を求めて、比較した。その結果、LPSの抑制効果が最も強く、次いでOK-432で、lipid Aは最も弱かった。対照群に対する有意差は、LPSがp<0.02、OK-432がP<0.05、lipid AはNSであった。 In vitroでのマクロファージやNK細胞などの非特異的な免疫細胞によるcytotoxic&cytostatic activityに対しては、極めて高い賦活効果を示していたが、in vivoにおいては、複雑な免疫応答が発動していることもあり、lipid AやLPSなどは投与量や投方法により、全く異なった反応を示すことが考えられる。今回用いた量と方法が適切であるか否かの検討を要する。また、lipid AによるマクロファージのIFN-γの産生性は低くCTLなどの誘導には工夫が必要と考えられる。
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