研究概要 |
日本の山地景観の現状把握と保全の基礎研究を目的として,北海道大雪山・北アルプス立山,北アルプス常念岳の3カ所において,前年度に継続して,地生態学的な調査を行った。 1. 大雪山 黒岳と朝日岳周辺において残雪域の図化,地温・気温データの分析,ならびに登山道の土壌侵食に関する調査を実施した。また,高根ヶ原では周氷河現象と湿原形成のメカニズムについて調査した。 2. 立山 室堂平において植生破壊の現状および植生復元に関する調査を行った。また,観光・登山者,キャンパーに対し,立山の環境に関する意識調査を行った。 3. 常念岳 常念小屋周辺に前年度設置した地温・気温・風の観測装置のデータを回収し,分析した。観測は次年度まで継続して行う。また,小屋周辺の微地形・植生・風食等,この地域の景観形成に関する地生態的な調査を行った。また,登山者の実態を把握するために,アンケート調査を実施した。 以上の調査研究成果は,1999年3月29日に開催する「日本地理学会・地生態学グループ」第3回研究発表・討論集会(於・明治大学)にて発表の予定である。
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