研究課題/領域番号 |
09480135
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
池田 有光 大阪府立大学, 工学部, 教授 (40026232)
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研究分担者 |
東野 晴行 通産省, 資源環境技術総合研究所, 研究員
外岡 豊 埼玉大学, 経済学部, 教授 (00282418)
星野 叡史 大阪府立大学, 工学部, 講師 (50094511)
前田 泰昭 大阪府立大学, 工学部, 教授 (80081438)
安田 龍介 大阪府立大学, 工学部, 助手 (50244661)
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キーワード | 長距離輸送モデル / 湿性沈着 / 乾性沈着 / 東アジア / エネルギー消費 / 発生源制御 / 硫酸イオン / 硝酸イオン |
研究概要 |
(1)長距離輸送モデルによる環境負荷量分布の推定; 開発している酸性物質の長距離輸送モデルの同定は、日本を5地域に分けてそれぞれで観測された硫酸イオンと硝酸イオンの沈着量の年間値と月間値を使って行われている。輸送モデルの信頼性をより高めるために、次のような事項について検証を行った。(1)地形効果を格子モデル計算に取り入れるため、鉛直計算領域を増加した。(2)日本海上の陸上データから求めた推定降水量を変動させた。その結果、鉛直計算領域を変えることによって、より現象に忠実なモデルのなった結果、発生源が面的に多く分布している地域については推定精度が上がったものの、発生源から離れた領域には改善があまり認められなかった。湿性沈着量の月間値について計算値と実測値を比較することによって、夏季にはどの地域もよく計算値が実測値に追随するが、冬季には日本海側での計算による沈着量が過少に評価された。その原因が年間を通じて一定としている中国や韓国の排出量の設定に原因があると推定された。しかし、いずれにせよ日本国内の人為起源の湿性沈着への寄与率は硫酸に関しては、およそ3分の1、硝酸に関しての寄与はおよそ4分の3辺りであると推定された。外国からの寄与率は、夏季には低く、冬季には相対的に高いことが確認された。 (2)将来の汚染物質発生量推計; 中国、韓国をはじめとする国々のエネルギー消費量の将来推計はエネルギー関連の研究領域で行われ出しており、それらのデータを現在収集中である。 (3)各国の発生源制御の工学技術調査; 中国の主要工業都市での発生源制御の実態は、今日経済状態が芳しくないため、脱硫装置や、集塵装置が設置されていても使われていないとの情報もあるが、現状を文献収集によって行っているところである。
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