研究課題/領域番号 |
09480135
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
池田 有光 大阪府立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40026232)
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研究分担者 |
外岡 豊 埼玉大学, 経済学部, 教授 (00282418)
前田 泰昭 大阪府立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80081438)
安田 龍介 大阪府立大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50244661)
東野 晴行 経済産業省, 資源環境技術総合研究所, 研究員
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キーワード | 長距離輸送モデル / 東アジア / 発生源制御メニュー / 酸性降下物 / 材料腐食 / 環境評価 |
研究概要 |
本年度は当研究課題の最終年度である。これまでの研究蓄積をベースに以下の成果を得た。 1.大気汚染物質の長距離輸送に関して、信頼性を高めた輸送モデルを使い東アジア地域の年間における硫黄酸化物の大気汚染濃度、硫酸イオン沈着量のソース・リセプターマトリックスを80kmメッシュレベルで完成した(池田、安田)。 2.排出量をエネルギー使用量の将来推計・人口動態等から推計し、研究対象地域で使用される燃料種類・硫黄酸化物・炭酸ガス・揮発性炭化水素・窒素酸化物等の排出量を推定した。また燃料種類の変更・制御による環境負荷の変化と経済インパクトを明らかにした(外岡、東野、池田)。 3.上記データをもとに、二酸化硫黄の大気汚染濃度・硫酸イオン沈着量・二酸化炭素の排出総量の変動の上限を環境上の制約条件として、またエネルギー供給状況・環境政策・世界のエネルギーコスト等の不確定要素を変動しうるパラメータとして扱い、複数の発生源制御メニューを明らかにした。特に中国は東アジアで排出量が突出しているため、中国を集中的に検討することによって東アジアの問題がほとんど解決されることを確認した。また二酸化硫黄を制御すると炭酸ガスの排出量も抑制されることが明らかとなり、温暖化問題の対策にも寄与することが明白になった。ここで最適制御方策を見つけるために混合型線形計画法を使っているが、昨年と比較して本年度は制約条件はじめ計算の解像度を高めた結果、計算結果に実用性と信頼性を高めることができた(池田、安田)。 4.環境負荷量に対する制約条件として、土壌の臨界環境容量の他に酸性雨による材料への影響を尺度とした環境評価手法の開発を材料の暴露調査を通じて明らかにした(前田)。
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