研究課題/領域番号 |
09554005
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研究機関 | 国立天文台 |
研究代表者 |
川辺 幸子 (奥村 幸子) 国立天文台, 電波天文学研究系, 助教授 (20224842)
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研究分担者 |
川口 則幸 国立天文台, 地球回転研究系, 教授 (90214618)
砂田 和良 国立天文台, 電波天文学研究系, 助手 (90270454)
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キーワード | 電波天文学 / 並列処理 / デジタルフィルター / 信号処理 / LSI / 分光観測 |
研究概要 |
最終年度である平成11年度は、1)デジタルフィルターLSI(FPGA)を用いた試験用信号処理回路基板の設計・製作と、2)同信号処理回路の信号試験を行った。なお、上記の作業に先立ち、電波天文学のより広い範囲で使用できるように、これまでに検討したデジタルフィルターの仕様に、より狭い帯域幅を使用するVLBIシステムへの適用を加え、FPGAの設計を一部変更した。その後、下記のような設計・製作と評価を行った。 1)回路入力したFPGAを用いてその機能のすべてを確認するための信号処理回路の設計を行った。設計に際しては、入力信号は、既存のパターン信号発生器を利用したテストパターンデータと、45m鏡用マルチビームデジタル分光計システム(国立天文台野モ山宇宙電波観測所)で生成される1ビーム分のデジタルデータのいずれをも扱えるようにした。回路設計後、周辺回路を含む信号処理回路基板の製作を行った。 2)上記試験回路基板の組立後、パターン信号発生器を利用したテストパターン処理試験を行った。これは、2ビットのテストパターンを作成し、それを試験回路に入力して、結果のデジタルデータをロジックアナライザで測定することにより、論理的に正しいフィルター処理が施されたか確認するものである。ここで、すべての機能に関して論理処理に間違いがないことが確認できた。なお、当初予定していた、45m鏡用マルチビームデジタル分光計システムと広帯域雑音信号(最大帯域幅512MHz)を用いた信号試験に関しては、同システムが共同利用に供されることから、その観測が終了する2000年5月以降に実行することとした。しかしながら、上記テストパターン等の結果から、FPGAにプログラムされたデジタルフィルタリング処理回路は、設計通りの動作が確認され、本研究の当初目的はほぼ達成されたといえる。
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