研究課題/領域番号 |
09556030
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
井出 雄二 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (90213024)
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研究分担者 |
中村 健太郎 住友林業, 筑波研究所, 研究員
益守 眞也 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (50282702)
池田 裕行 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (30012090)
小島 克己 東京大学, アジア生物資源環境研究センター, 助教授 (80211895)
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キーワード | 熱帯樹木 / 組織培養 / 菌根形成 / 人工種子 / カルス / 不定芽 |
研究概要 |
本年度は、昨年度において組織培養法を確立した、Gmelina arboreaとPeronema canescensについて、人工種子化技術の開発を行った。組織培養で増殖した幼植物体の腋芽部分を切り取って、アルギン酸ゲルで包むことによって、人工種子とした。これを、まず無菌条件下で培養することで発芽させ植物体を再生させることに成功した。このとき、ゲル化する培地の種類、添加するショ糖や植物ホルモンについて最適な量を検討した。また、発芽床として用いる寒天培地の種類やショ糖、ホルモンについても同時に検討し、無菌発芽に必要な条件の検索を行った。また、両種ともにバーミキュライトなどを培地とした、有菌条件下での発芽についても検討した。Gmelina arboreaでは、有菌条件下でも順調に発芽しそのまま植物体が再生したが、Peronema canescensでは、発芽は見られなかった。さらに、人工種子を、4℃、10℃、15℃、25℃の各温度において貯蔵した結果、4℃では、腋芽組織が脱色枯死してしまったが、10℃の条件下でも約4週間発芽力を失わずに保存することが可能であった。これにより、熱帯樹種における安定的な人工種子化技術を開発することができた。クローン増殖法に関しては、昨年度増殖法を確立したAzadirachta excelsaについて、葉、茎軸、根などからの、不定芽誘導について検討した。その結果、葉からは不定根の、茎軸からは不定芽の形成が認められた。
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