研究課題/領域番号 |
09556030
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
林学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
井出 雄二 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (90213024)
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研究分担者 |
益守 眞也 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (50282702)
池田 裕行 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (30012090)
小島 克巳 東京大学, アジア生物資源環境研究センター, 助教授 (80211895)
中村 健太郎 住友林業(株), 筑波研究所, 研究員
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研究期間 (年度) |
1997 – 2000
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キーワード | 熱帯樹木 / 組織培養 / プロトプラスト / 人工種子 / 多芽体 / 不定芽 / 早成樹 / フタバガキ |
研究概要 |
熱帯樹木のバイオテクノロジー研究推進には、温帯樹木の研究上モデル植物とされているポプラ類のような、取り扱いが容易で、再分化やプロトプラスト培養が容易である熱帯樹木種をモデル植物として基礎的な研究を行う必要がある。そこで、熱帯の代表的な早生樹種である、Gmelina arborea、Peronema canescens、Phlaserianthes falcataria、Azadirachta excelsaについて、腋芽培養、不定芽の誘導などによる組織培養系をそれぞれ確立し、試験管内でクローンを急速克大量に増殖させ、各種実験材料の安定供給を可能にした。この技術は、実際の種苗生産において優良種苗の増殖にも十分利用可能である。また、これらの樹種について、人工種子の作成技術の確立やプロトプラスト培養について試みた。その結果、Gmelina arborea、Azadirachta excelsaの2種についてアルギン酸ゲルで腋芽を包埋する人工種子化技術を確立した。また、人工種子を、熱帯樹木が死滅する10℃以下に置いた場合でも長期にわたって生存し、生殖質の保存に有効であることを確認できた。さらに、Gmelina arboreaおよびPeronema canescensのプロトプラストの単離に成功し、Gmelina arboreaではプロトプラストより細胞分裂を誘導することができた。以上、熱帯早生樹について今後のバイテクノロジー研究を推進する上で重要な基礎技術を確立できた。一方、このこの応用技術として、熱帯の重要樹木であるフタバガキ科樹木の組織培養に取り組んだ結果、Shorea roxburgiiの茎頂から誘導した芽の培養により多芽体を増殖し、それからの植物体再生系を確立できた。このとき、培地に添加する糖は、これまで温帯性植物に用いられてきたショ糖ではなく、マルトースなどが有効であることを明らかにした。これにより、熱帯樹木では温帯樹木とは異なった培養条件を要求することが明らかにできた。
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