研究課題
DNA分析技術を導入した効率的な育種システムを構築する上で必要となる技術開発を行った。1.高変異性マイクロサテライトDNAマーカーの開発:スギ、クロマツ、カラマツ、アカシアの4樹種を対象として、RAMP(random amplified microsatellite polymorphism)法を用いてマイクロサテライトDNA領域のスクリーニングを行った。その結果、各樹種で20〜40個のマーカーが得られた。2.RAPD-SCARマーカーを利用した品種識別法の開発:スギ、ヒノキ、カラマツの3樹種を対象として、各樹種24個のRAPD(random amplified polymorphic DNA)フラグメントの塩基配列を決定し、SCAR(sequence characterized amplified regions)化を行った。各樹種でSCAR化されたマーカーの内、約半数がPCR(polymerase chain reaction)増幅、変異性の点で利用可能であった。SCARマーカーは従来のRAPDマーカーに比べ再現性が極めて高いため、高い信頼性をもつ品種識別が可能となった。3.葉緑体DNA型の簡便識別法の開発:PCR-SSCP(single strand conformation polymorphism)分析を導入し、ヒノキ、カラマツ、クロマツ、アカシアの葉緑体DNA型の簡便分析法を開発した。4.電算機による家系管理プログラムの作成:DNA分析によって得られる各個体のDNA型を遺伝子型に変換し、さらに親個体の遺伝子型データと照合することにより、両親を遡及探索するプログラムを作成した。
すべて その他
すべて 文献書誌 (3件)