研究課題/領域番号 |
09557173
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 神奈川歯科大学 |
研究代表者 |
木下 靱彦 神奈川歯科大学, 歯学部, 助教授 (70084770)
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研究分担者 |
宮本 將利 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (20257314)
福岡 真一 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (80267517)
大塚 亨 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (20168991)
横矢 重俊 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (60267523)
筏 義人 京都大学, 生体医療工学研究センター, 教授 (00025909)
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キーワード | 生分解吸収性材料 / 細胞成長因子 / 顎骨再生 / 骨髄海綿骨細片 / basic fibroblast growth factor |
研究概要 |
1.細胞増殖因子bFGFのcarrierの検討。1)carrierとして等電点5.0の酸性ゼラチンを牛骨から分離精製、glutaraldehydeで架橋し、含水率98-85wt%の粒状ゼラチン(<500μm)を得た。ゼラチンは水洗後、凍結乾燥後、EOGで消毒された。ゼラチンはin vivoで5日-5週間で分解吸収されるが、含水率が高いほど速く吸収される。 2.bFGF-ゼラチン複合体とbFGFの徐放について。1)bFGF水溶液を凍結乾燥ゼラチン粒子に滴下し、500G、5分間遠沈すると、bFGFを不活化せずにゼラチンに定量的に結合できた。2)in vitroではゼラチンが分解されずbFGFは徐放されないが、in vivoでは分解したゼラチンとともbFGFが徐放され、徐放期間はゼラチンの分解速度に依存した。 3.骨髄海綿骨細片PCBMの骨形成に及ぼすbFGF-ゼラチン複合体の影響。含水率92.2%、93.0%のゼラチン粒子20mgにbFGF100μg/PBS200μlを含浸したものとPBS200μlのみ含浸したもの(コントロール)を調整し、それぞれ成犬のPCBM2.0gと混和したものをPLLAメッシュ製中空シリンダー内に充填し、これを同背部皮下に埋入した。埋入2-6週後の組織学的観察では、bFGF群はコントロールに比べ、活発な骨形成を示し、bFGF-ゼラチン複合体がPCBM移植における骨再生に促進的に働くことが示唆された。 PLLAメッシュの吸収過程における組織的、電顕的観察。ラット皮下入30か月後もPLLAメッシュの分解が継続するが、周囲組織には炎症性細胞浸潤はみられず、モノフィラメント周囲のマクロファージの胞体内には微小化したPLLL細片と多数の空胞が認められ、PLLAメッシュは生体内で加水分解とマクロファージの貧食により極めて緩徐に吸収されることが示唆された。5.吸収性骨結紮糸については、PLLA単独およびPLLAとcaprolactoneのより糸を試作し、成犬下顎骨におけるPLLAメッシュと骨との結紮糸として使用し有効性を検討している。
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