研究分担者 |
宮本 将利 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (20257314)
福岡 真一 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (80267517)
大塚 亨 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (20168991)
横矢 重俊 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (60267523)
筏 義人 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (00025909)
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研究概要 |
1. bone marrow osteogenic stem cell(BMOSC)の増殖・分化におよぼすbFGFの影響。ビーグル成犬の膓骨陵から骨髄細胞を採取し、継代2代目のBMOSCについてbFGF,Dexamethazone(Dex),D3,bFGF+Dex,bFGF+D3添加培養した時のDNA量とアルカリフォスファターセ(AL-P)活性を測定した。その結果,bFGF+Dex群でDNA合成能及びAL-p活性が最も上昇し,両者の併用はBMOSCの増殖と骨芽細胞への分化を促進することが示唆された。 2. BMOSCの3次元培養。継代2代目のBMOSCの1x10^7/ml細胞浮遊液をコラーゲンスポンジに注入し,培養したところ,培養21日目には膠原繊維増生が著しかったが、期待したほどの細胞増殖は認められなかった。現在、bFGF+Dexを添加し,BMOSC+コラーゲンスポンジ複合体の培養を行っている。 3. 骨髄海綿骨細片(PCBM)移植の骨形成に及ぼすbFGF-ゼラチン結合体の影響。含水率95%ゼラチン粒子(φ<0.Imm)を用い,PCBM+bFGFゼラチン複合体のビーグル犬背部皮下移植による追加実験を行った。その結果,移植2週後95%ゼラチン粒子はほとんど吸収消失し,骨形成に関しては対照群(PCBM+神ゼラチン)との間に差はみられなかった。含水率95%ゼラチンではゼラチンの吸収に伴うbFGFの放出が速すぎる可能性が考えられ,追試検討中である。 4. 下顎骨欠損腔の骨再生におけるbFGF-ゼラチン複合体の効果。ビーグル犬下顎骨下縁の欠損部(5x10mm)にPLLAメッシュシートをframeworkとして、A群:ゼラチン(含水率92%)+bFGF(100μg)複合体、B群ゼラチン(含水率93%)+bFGF(100μg)複合体,対照群:ゼラチン(含水率92%、93%)を充填し,術後4,12週に骨再生状態を軟X線的,組織学的に比較観察した。その結果,A,B群で差は認められず、4週後、骨切除断端よりゼラチン粒子を囲むように新生骨が形成され、12週後骨欠損腔は縮小し、残存する粒子周囲に骨形成が認められた。ゼラチン含水率とPCBMの配合比についてさらに検討したい。 5. bFGF担体のゼラチン粒子の調製。兎頭頂骨に6mmΦの欠損.bFGF100μg-ゼラチン複合体を移植したところゼラチン含水率が低くなるほど(95→85%)骨再生量は増加した。含水量が低く、ゆっくり分解するhydrogelは骨欠損における骨芽細胞の存続期間を延長させ、含水率の高いhydrogelsに比べ骨再生を増長することを示唆した。
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