研究分担者 |
福岡 真一 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (80267517)
横矢 重俊 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (60267523)
筏 義人 鈴鹿医用科学大学, 医用工学部, 教授 (00025909)
岡 高茂 グンゼ株式会社, 研究開発部・メディカル材料センター・技術開発課, 次長(研究職)
宮本 将利 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (20257314)
|
研究概要 |
1.ビーグル成犬の腸骨より骨髄を採取し、bFGF、Dex、V.D3の単層培養(passage2)におけるbone marrow osteogenic stem cell(BMOSC)の増殖・分化におよぼす影響をDNA量とALPase活性により検討した。その結果,bFGF+Dex群がBMOSCの増殖と分化を最も促進することがわかった。2.1と同様に骨髄細胞を採取して、初代培養時よりDexを添加した後,コラーゲンスポンジ内三次元培養にて、Dexのみ(A群)とDex+bFGFを添加した群(B群)について、ALPaseと^<45>Caの取り込みを調べたところ、A群はB群に比べALPaseと45Caの取り込みが有意に高い値を示した。三次元培養におけるBMOSCの増殖と骨芽細胞への分化促進にはbFGFの早期投与が効果的と考えられた。3.骨髄海綿骨細片(PCBM)移植の骨形成に及ぼすbFGF-ゼラチン含浸体の効果について。前年度のゼラチン含水率75,85.95%の検討結果を踏まえ、あらたに含水率90%のゼラチンとbFGF含浸体のPCBM移植の骨形性能に及ぼす影響を検討しているが、これまで良好な骨形成効果を得ている。4.ビーグル成犬下顎骨下縁に骨欠損を作製し、含水率の異なるゼラチン粒子(A群:含水率75%,B群:85%,C群:95%)にbFGF100μg/PBSを含浸したものを埋植した後,PLLAメッシュでこれを保持し、術後、4、12週に、骨再生状態を組織学的および軟X線フィルム上での画像解析により検討したところ、bFGF-ゼラチン複合体はゼラチンの分解に伴いbFGFを徐放することにより,顎骨欠損部の骨再生に促進的に働くことが示唆された。その持続期間はゼラチンの含水率(吸収速度)により異なり、含水率95%では4週でゼラチンの大部分は吸収消失したが、含水率75-85%では12週においてもその効果が持続するものの粒子が残留した。骨形成の促進とゼラチン残留期間から含水率90%が最も妥当と思われ、現在、追加実験している。5.下顎骨連続欠損に対するPCBMとbFGF-ゼラチン結合体併用による顎骨再生実験については、含水率90%のゼラチンを用いることとし、実験準備している。
|