研究分担者 |
古郡 延子 アイネス, システムリサーチセンター, 主任研究員
脇田 里子 福井大学, 教育学部, 講師 (20251978)
林 敏浩 佐賀大学, 理工学部, 助教授 (90264142)
緒方 広明 徳島大学, 工学部, 助手 (30274260)
金 群 徳島大学, 工学部, 助教授 (20274251)
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研究概要 |
本年度は,WWWをベースにしたオープンで拡張可能な日本語学習用電子辞書を利用した教育システムの研究として,JUPITER,Anckle,Video Conferenceシステムのプロジェクトを進めた. JUPITERは,昨年度構築した漢字辞書システムKIDS-IIを応用したものであり,インターネット上に存在する任意の電子リソースを教材として活用する枠組みを持つ.そして情報フィルタリング技術を応用して学習漢字を選定する漢字選定フィルタリングを実装した. Anckleは,日本語と中国語における漢字の意味差異を考慮した学習支援を行う学習支援システムである.本システムは,日中の差異知識を扱う電子辞書を持ち,ソフトウェアエージェントを利用して,学習者と母語話者のコミュニケーションに介入し,電子辞書による学習支援を行う. Video Conferenceシステムは,音声・文字による会話とビデオ映像に基づく学習者と母語話者とのコミュニケーション環境を提供する.本環境でのコミュニケーション内容は,用例として用例辞書に保存され,学習者は用例辞書を利用することで,円滑なコミュニケーションが可能となる.これらのシステムは,Windows95/NT上で動作し,スタンドアロン型の枠組みで実装した.同時に,各システムをWebベースアプリケーションにするために,各システムをオブジェクト指向プログラミングによりソフトウェアコンポーネント化を行った.また,各システムの有効性と問題点を検証するために,インターネットを用いて配布を行うと同時に,日本語教育現場での試用評価を行い,良好な結果が得られた.以上の研究により,インターネットを利用した日本語学習用辞書のための基盤技術が,実現できたといえる.
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